そして選手達が入場してくると七海君もグラウンドに入場して来る。

「あ!七海君だ!」

「あの人お姉ちゃんと海麗君のお友達なの!?すごい!格好良いね!」

学校では気さくな雰囲気の七海君だったけど、真剣な表情で列を乱すことなく整列をしていて格好良かった。

「ほら、ありす。試合始まるぞ?見なくていいのか?」

「ン〜Zzz…眠いのー…」

海麗君が試合が始まる前にありすちゃんを起こすけど、ありすちゃんはまた眠ってしまった。


ハーフタイムの時に目を覚まして後半戦の時はどっちにゴールが入っても大喜びをしていて、ありすちゃんの可愛さに癒される。

試合は七海君のチームは負けてしまったけど分からないルールは海麗君が説明してくれて、サッカーの事が分からなかった私でもすごく見応えのある試合で面白かった。


スタジアムから出る時も入る時と同様に人がごちゃごちゃしている。


電車も混んでそう…ありすちゃんと遥斗、応援で疲れちゃってるから座らせてあげたいけど…難しいだろうなぁ。

人が少なくなるまで席で待っていると、海麗君がスマホで電話をしていて電話を切った。

「姫野、うちの父さんが車で迎えに来るから二人も乗っていけよ。家まで送る」

「え…お邪魔して大丈夫…?」

「あぁ。遥斗も一生懸命応援して疲れただろ」

「え!?車乗せてくれるの!?良かった!海麗君ありがとう」

駅の近くに車は近付けないので少し離れたところまで移動して海麗君達のお父さんを待つ事になった。

海麗君と付き合ってるわけでも何でもないのに何となく海麗君のお父さんと会うの緊張するな…