席に到着する頃にはありすちゃんはぐっすり寝てしまっていて席に座っても海麗君に抱き着いたまま眠っていた。
やっぱり海麗君の腕の中安心するのかな…
「お姉ちゃん!グラウンドすごく近いね!すごくよく見える!」
遥斗が嬉しそうにそう言うとハッとした。
サッカー観戦に来てるのに海麗君の事ばっかり考えてた…
「そ、そうだね!あとで遥斗も七海君にお礼言おうね」
「うん!」
「っつーか、ここめちゃくちゃ良い席じゃね?一番高い席だと思うけどまじでチケット代とかいらないのか?」
「私もチケット代七海君に払おうと思ったんだけど、いらないって言ってくれて…」
「ねぇ!お姉ちゃん!ここなら冴島選手近くで見えるかなー?」
「どうかなぁ?見えると良いね」
サッカーの事全然わからなくて曖昧な返事しか出来ない…冴島選手はよくテレビに出てるから知ってるけど…
「お、遥斗は冴島選手好きなのか?」
「うん!海麗君は好きな選手いる?」
「俺も冴島選手好きだな。あとはブラジルの…」
海麗君と遥斗はサッカーの話で会話がすごく盛り上がっている。
海麗君って学校であんまり話してるところ見ないから心を開いてくれてるようで何か嬉しい。



