「…姫野、口元にケバブのマヨネーズ付いてるぞ」

「え?本当?どこだろ?」

ありすちゃんに気を取られてたから…恥ずかしい…

メイクポーチから手鏡を取り出そうと鞄に手を伸ばすと、何と…海麗君は私の口元を指で拭ってくれた。

「へ…」

「…あっ!悪い!ついありすが口元汚した時と同じ事…!うわっ…俺気持ちわりぃ…」

「そ、そんな事ないよ!?…取ってくれてありがとう!」


わぁっ…私今絶対顔真っ赤になってる…!


海麗君にドキドキさせられっぱなしだぁ…


私にとってすごく嬉しい事だったけど、海麗君は絶望してるみたいな顔をしてしまった。


「海麗君…私、全然嫌じゃなかったよ……えっと…すぐにそういう行動出来るって事はきっと昔からありすちゃんの面倒しっかり見てあげてる優しいお兄ちゃんなわけだし…私はそういう優しいお兄ちゃんで素敵だと思う」

なんか…海麗君に告白してるみたいになっちゃった…

「それは……過大評価過ぎるだろ…」

海麗君はすぐにふいっと反対を向いてしまったけど、顔を紅くしてるのが見えてその姿にもときめいてしまう。