席に戻るとありすちゃんはさっきは海麗君の隣りに座っていたのに、遥斗の隣りにパッと座ってしまって私は海麗君の隣りに座っていいのか迷ってしまった。

「こら、ありす。ありすの席こっちだろ?姫野の席取るなよ」

「美羽ちゃんはありすの席座っていいよー」

「いいよじゃねぇの。遥斗の隣りが良いならちゃんと姫野に聞けよ。人の席取る悪い子はもう帰るぞ」

海麗君、ありすちゃんの事しっかり注意してる…

私は遥斗にこうやってちゃんと注意したこと無かったからしっかりしたお兄ちゃんをやってて尊敬してしまう。

「んぅ…美羽ちゃん席取っちゃってごめんなさい…はる君のお隣り座ってもいいー?」

「うん!全然いいよ…えっと…そしたら私、海麗君の隣り座って大丈夫?」

チラッと海麗君を見ると海麗君はため息をついた。

「はぁ…ありすのわがままに付き合わせてごめん…遥斗は一歳しか違わないのに礼儀正しくて良い子なのに…」

「全然いいよ、それにさっきもトイレ行った時ちゃんとお礼も言ってくれて良い子だったよ!席も決まってるわけじゃないから」

「ねぇ!はる君、付き合ってる人いるー?」

海麗君の隣に座りながら話してると、ありすちゃんは大きい声で遥斗にそう聞いていた。

結局本人に聞いてる…

「付き合ってる人?いないよ」

「そしたらありすと付き合って!はる君の事大好きなの」

突然のありすちゃんの発言に私と海麗君は顔を見合わせた。


私も海麗君に転校初日に好きになっちゃったから人の事言えないけど今日初めて会ったばっかりなのに…!?

「僕は良いけど…お姉ちゃん、ありすちゃんと付き合ってもいい?」

「えぇ!?それはお姉ちゃんには判断しかねないっていうか…えっと…遥斗もありすちゃんの事好きなら…いいのかな…?海麗君はどう思う?」

男の子と付き合った経験のない私がアドバイス出来ない…