早乙女くんがヒロイン!?



そんな話をしていると、電車がカーブに差し掛かって大きく揺れた。

「わっ」

ちょうど手すりから手を離していたタイミングでバランスを崩してしまった。

すると、海麗君がパッと背中に手を回して支えてくれる。


「平気か?」

「あ…うん……ありがとう」

「…急に触ってごめん」

「ううんっ…」

か、海麗君の腕ガッシリしてた……!

海麗君にドキドキさせられながら目的地に到着すると、スタジアムは想像していたよりも大きくて、周りはお祭りみたいになっている。


七海君…こんな所で試合する選手だなんてすごい…!


試合は2時からだ。
露店でお昼ご飯を食べる事にしていて私達は露店を見て回る。

「ありす、迷子になるから手繋ぐぞ」

「はる君と繋ぐのー!はる君お手て繋ご?」

「うん、いいよ」

ありすちゃんは遥斗のところに来て手を繋いだ。

「海麗君振られちゃったね、遥斗は昔から人混みでもはぐれたりしないから安心して大丈夫だよ」

「クッ…遥斗、小学生ながらにして爽やかイケメンだからな…優しいし」

「海麗君だって優しいよ?」

「そんな事ねぇよ…」

海麗君はちょっと照れた様子で反対を向いた。
露店でケバブや唐揚げ、ポテト等露店ならではの物を買って歩いてテーブルと椅子が設置してあるスペースへと移動した。