宿題が終わってからサブスクのアニメ映画を見せておく。
ありすの面倒を見る時これが一番静かだし楽。


するとスマホに着信が入った。

「ママからー!?」

「ん…」

夕飯の事か?


普段家族以外からの連絡はないからいつも通り母さんか父さんからかと思いながら画面を見ると何と姫野からだ。


急いで電話に出る。

「もしもし?」

「海麗君、突然電話しちゃってごめんね!電話しても大丈夫だった?」

姫野の声が聞こえるとありすが俺の膝の上に乗ってスマホに手を伸ばす。

「ねぇー!ママの電話代わってー!ありすがお話するの!」

「母さんじゃないからちょっと待ってろ…姫野、悪い!横に妹いてさ…急用だったか?」

スマホを取ろうとするありすを押さえながら電話を続ける。
違う場所に移動しても絶対着いてくるし。

「あ、そうなんだ…急用ではないんだけど、今度の日曜日予定なかったら一緒にサッカー観戦行かない?チケットもらったんだけど…」

「え…日曜日か…?」

何で誘われてるんだ?どういう状況で俺がサッカー観戦に誘われてるのか全然わからんけど姫野の誘い…

姫野からというのは勿論あるが、クラスメートから気軽に誘われるなんて異例過ぎて思考が追い付かない。

いや、でも日曜はありすと魔法少女ごっこする約束をしてしまった…。

ありすには申し訳ないが、魔法少女ごっこは姫野の誘いに行って帰ってからに出来ないか考えてしまう。

「サッカー観戦!?ありすも行きたい!カイ君だけ行くのずるいー!」

ありすは姫野の声が聞こえたらしく大はしゃぎでそう言った。

この前テレビで日本代表戦見てた時に一緒に見ていて、ルールは知らないくせに盛り上がってたからな…

「ありすには関係ない話!ほら、邪魔するなって…姫野、本当ごめん。折角だけど」

「あ!待って!…もし良かったら妹さんも一緒にどうかな?うちの弟も一緒に行くから」

弟も!?…そりゃあ二人なわけないよな?

いや、デートだと思ったわけじゃねぇし!