休み時間になってすぐに海麗君に話し掛けた。
「海麗君、昨日のパーカー今洗濯してるから明日返すねっ…返すの遅くなっちゃってごめんね」
「別にいつでもいい…」
海麗君は周りを気にしながら小さい声でそう答えた。
クラスで話し掛けられるの迷惑だったかな…?
「姫野ー!こっち」
七海君が教室の扉のところで手招きをしている。
「あ、今行くー」
さっき言ってた配布物だ!
私は七海君を待たせないように急いで七海君のところへと向かった。
「ごめんねぇ、七海君のクラス委員のお仕事早く終わらせたいよね」
「クラス委員?」
「七海君クラス委員じゃないの?」
「フハッ!姫野天然?可愛いなぁ!まだクラスで委員会なんて決まってないじゃん」
「あっ…そっかぁ…勘違いしちゃって恥ずかしい」
「そうじゃなくて、姫野ってサッカー観戦とか興味ある?」
「サッカー観戦?」
「今度所属してるクラブチームの試合があるんだけど応援来てくれない?対戦相手テレビ出てるような選手も出るしさ。一人でアレなら前の学校の友達とかも誘っていいから」
七海君はそう言ってチケットを4枚差し出すと、差し出されたチケットに遥斗が好きなサッカー選手の写真がプリントされているのが目に入った。
「あ、この選手弟が好きな選手だぁ」
「本当?弟と一緒に来なよ。今回対戦相手だから席反対になっちゃうけど良い席だから近くで見れるしさ」
「えぇー!弟すごく喜びそう!そしたら2枚買わせてもらうね、手持ち足りなかったら足りない分明日でも大丈夫かな?」
前の学校で芸能系のお仕事してる子が自分の出る舞台のチケットをクラスの子達に買ってもらってた事があるからそういう感じかな?



