「本当にチャラくないって。サッカー忙しくて遊ぶ時間ないしさぁ」

「そうだ、こいつ七海(ナナミ)なんて高校生ながらにしてプロのサッカー選手だからな!」

「え、そうなの!?すごいねぇ!」

その七海(ななみ)君という男子は見た目も爽やかで、その上サッカーも上手いってすごくモテそう…

七海君みたいな少女マンガのヒーローみたいな男の子って本当にいるんだ!

予鈴が鳴って解散する時に突然七海君に耳打ちされる。

「姫野さん、後で渡したい物あるから次の休み時間廊下に来て」

「渡したい物って?」


七海君はウインクをして行ってしまった。


???


今日初めて話したのに渡される物なんて思いつかない。
何か配布物とかかな?
七海君ってクラス委員なのかな?


皆が居なくなると海麗君の横顔が見えた。


「海麗君っ」


先生が教室に入って来たので小さい声で海麗君を呼ぶと気付いてくれて小さく手を振った。


「おはよー」

「……あぁ」


海麗君は小さい声でそう言うと、すぐに目線を逸らしてフイっと前を向いてしまった。

少し仲良くなれたかなって思ったけど、そんな事なかったかぁ…