君のせいで遠回りする

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「おはようございます!」

「茅原おはよー」

「っす。今日もよろしく、マネージャー」


あの後、爆速で着替えて髪を整えるのもほどほどに(寝癖だけなんとか押さえつけて)、机の上に散らかった教科書を鞄に押し込み、駅まで猛ダッシュ。


その甲斐あって、朝練の遅刻は免れた。


準備を終えた部員から各々ウォーミングアップを始めるのを横目に、ドリンクの用意をしていると。



こつん、と肩を軽く小突かれる。


誰? と声に出して尋ねるまでもなく。




「昨日の“用事”ってあれ結局なんだったんだ」



昨日の帰り際、唐突に私に置き去りにされた椿がジト目でこちらを見つめてくる。



「ごめんね。ちょっとした罪ほろぼしで……」

「罪ほろぼしって、お前また何かやらかしたのかよ?」



“また” って失礼な。

まるで私が何度も繰り返しやらかしているみたいな言い草。



むすっと不貞腐れていると、椿がふいに目を細めて。