˖˚⋆
⊹
˖
「――――……だって」
「ふあ、……? 今、なんて?」
トーストをかじりながら、ぼんやり聞いていたから、全然頭に入ってこなかった。
くあ、と大きなあくびを零すと、お兄ちゃんは呆れたようにため息をついた。
「今日、降水確率90パーだってさ」
「そうなの?」
「傘持ってけよ。急に『迎えに来て』って呼び出されんの、もう懲りごりだから」
「もー、その件は申し訳なかったって思ってるよ!」
本当かよ、と意地悪なことを言ったかと思えば、「じゃあ、俺もう出るから」と慌ただしく玄関へと駆けていく。
今日も朝からバスケの練習らしい。
この春、スポーツ推薦で大学に進学したお兄ちゃんは、中高生の頃から少しも変わらずバスケ漬けの日々を送っている。
肩から提げたエナメルバッグの光沢が勲章みたいに輝いていた。
「まひるもぱぱっとご飯食べて支度しないと遅刻するわよー」
「はぁーい」
うとうとしながら生返事すると、お母さんは「もう」と唇をとがらせて。
「朝希を見習って、もうちょっとしゃきっとしなさいよー」
聞き飽きた、定番のお小言。
はぁい、と返事して、トーストの残りを一気に口に詰め込んだらむせそうになって、慌ててコーンスープで流し込んだ。
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「――――……だって」
「ふあ、……? 今、なんて?」
トーストをかじりながら、ぼんやり聞いていたから、全然頭に入ってこなかった。
くあ、と大きなあくびを零すと、お兄ちゃんは呆れたようにため息をついた。
「今日、降水確率90パーだってさ」
「そうなの?」
「傘持ってけよ。急に『迎えに来て』って呼び出されんの、もう懲りごりだから」
「もー、その件は申し訳なかったって思ってるよ!」
本当かよ、と意地悪なことを言ったかと思えば、「じゃあ、俺もう出るから」と慌ただしく玄関へと駆けていく。
今日も朝からバスケの練習らしい。
この春、スポーツ推薦で大学に進学したお兄ちゃんは、中高生の頃から少しも変わらずバスケ漬けの日々を送っている。
肩から提げたエナメルバッグの光沢が勲章みたいに輝いていた。
「まひるもぱぱっとご飯食べて支度しないと遅刻するわよー」
「はぁーい」
うとうとしながら生返事すると、お母さんは「もう」と唇をとがらせて。
「朝希を見習って、もうちょっとしゃきっとしなさいよー」
聞き飽きた、定番のお小言。
はぁい、と返事して、トーストの残りを一気に口に詰め込んだらむせそうになって、慌ててコーンスープで流し込んだ。



