君のせいで遠回りする

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氷上くんが手伝わせてくれたのは、各部活の伝票処理だった。


氷上くんがエクセルへの入力を終えた伝票を斜向かいに座る私の方へ滑らせる。その伝票に私が“生徒会執行部”の承認印を捺す。その繰り返しを、ひたすら。


ぺた、ぺた。


静かな部屋、響くのは、紙に押し付けたハンコを剥がすわずかな音だけ。



気まずい沈黙に耐えかねて、ちらりと氷上くんの表情を盗み見る。


氷上くんは涼しい顔でモニターをじっと見つめて、時折、伝票に視線を落として、端正な動きで指先をキーボードに沈めていて。



────「気まずい」なんて思っているのは、私の方だけなのかも。



氷上くんは平気、なのかな、でも。




「他に、いないの?」




結局、我慢できなくて、沈黙をやぶってしまった。

氷上くんは、モニターから視線を動かすことなく、口だけを動かして。




「何が?」


「生徒会のメンバーだよ。一応、部活、なんだよね? 生徒会執行“部”っていうくらいだし……」