君のせいで遠回りする

「1人の方が集中できるんだよ。その方が効率もいい」


「そんなわけないじゃん! 1人より2人の方がずっと早く終わるよ。効率だって2倍……だって、ほら! 手も4本になるんだし」


ねっ? と両手をパーにして氷上くんの顔の前でひらひら振ってみせる。


目を見開いて、呆気にとられた様子で固まった氷上くん。


数秒間、黙りこくったかと思えば。



「意味がわからない。理屈も筋もとおってないし」


「うっ」


「でも、いいよ、好きにすれば」


「……へ? いい、の?」


さっきまでの態度からは想像できないほどあっさり下りた許可に目を白黒させていると、氷上くんは面倒くさそうにため息ひとつ。



「そうでもしないと、あんたは納得できないんだろ。さっさと手動かして、気が済んだら、帰って」


「……うん!」



勢いよく頷いて、思う。

やっぱり、氷上くんってよくわからない。