「危なっかしくて見てらんねー。力有り余ってる部員なんていくらでもいるんだから、こういうときは声掛けろ」
私よりずうっと長くて筋肉質な腕がすいすいとスコアボードを体育倉庫に運び込む。
後に続いてボールかごを運び入れながら、改めて椿の背中を見上げると、背丈も私よりずうっと高くて、体のつくりからエースプレイヤーなんだなぁって感心してしまった。
「椿、ありがと!助かった!」
「どーいたしましてー」
ふ、と笑った椿は、私の頭の上にぽんと手を乗せて髪をかき混ぜる。
まるでペットの犬を撫でるように、わしゃわしゃと。
椿のいつものクセだ。
髪が崩れるからやめてほしいって事あるごとに主張してきたけれど、全然聞き入れてくれないから、いつからか抵抗せずに受け入れるようになってしまった。
「んじゃ、帰るか」
「うん、荷物持ってくる」
椿とは家の方角が同じだから、部活が終わった流れで一緒に下校することも珍しくない。
忙しなく荷物をまとめて、体育館を出てすぐのところで合流する。
汗をかいた体に、吹き抜ける風が心地よい。



