君のせいで遠回りする

˖˚⋆

˖



「つまり、善意でジュースを差し入れたつもりが、ぶちまけて生徒会長が進めてた仕事をパーにしたと」

「はいぃ……」



あまりの不甲斐なさに、箸を持つ手が力をなくす。

口に運ぼうとしていたプチトマトを取りこぼしそうになって、慌ててぐっと力を入れ直した。



「自分のせいで、ただでさえ忙しそうな生徒会長にさらに負荷をかけたかもってことを気にしてんのね、まひるは」

「その通りでございます……」




中庭の木陰にあるテーブルベンチは、私とつーちゃんの鉄板の場所。



いつも通りのその場所で、お弁当を食べながら、昨日の氷上くんとの出来事をつーちゃんに打ち明けた私は、はあ……と大きなため息をついた。



私好みに味をつけてくれているはずのお母さんのお弁当なのに、今日は、あんまり味がしない。