「てっきり、見せびらかしてるのかと思った。点数のとこ折ったりもせずに、そのままベーンって机に広げてるし、嫌でも視界に入ってくるって」
「さすがの私でも、32点には恥じらいのひとつやふたつ持ってるよ! た、たしかに、今いちばん悩んでるのは成績のことじゃないけど……っ」
「あ、そうなんだ。それはもうちょっと危機感持った方がいいんじゃない」
「っ、つーちゃん!!」
頬を膨らませると、つーちゃんがくくっと喉の奥で笑う。
肩が揺れるのに合わせて、つーちゃんのショートカットの髪がさらりとなびいた。
歯に衣着せぬ物言いだけれど、私はつーちゃんのハッキリした性格が大好き。尊敬している、に近いかも。



