その手で触れて、そして覚えて。


「いえ、気にしないでください。」
「街風くん、人気者だから、つい、、、」
「俺、、、今まで一人の人としかお付き合いしたことないんです。」

街風くんの言葉に、意外!と思ってしまうわたし。

いつも女子に囲まれてる街風くんが、付き合ったことある人が一人だけだなんて、、、

「学生の時に、シングルマザーの人と付き合ってて。」
「え!シングルマザー?!」
「学生だったけど、俺は本気で付き合ってました。大学卒業したら、就職して、いつか、、、この人と、その人の子を幸せにしたいなぁって。」

街風くんは、その時を思い出しているかのような切ない表情を浮かべ、そして空を見上げた。

「でも、、、所詮、俺はただの遊び相手だったみたいです。相手からしたら、ただ癒しが欲しかっただけの存在だったというか。シングルさんからしたら、そうですよね、、、俺なんか、稼ぎもなくて頼りなくて、、、本気にしてもらえるわけなかったんですよ。」

ごめん、街風くん、、、

わたしは、君のことを勘違いしてた。

いつも女性に囲まれている君は、女に困ったことがなくて、女性経験が豊富なんだろうなぁって、どこかで勝手に思ってた。

それが、付き合ってたのがシングルマザーで、幸せにしてあげたいと本気で付き合ってた?

シングルマザーが男性に本気で付き合ってもらえないって話はよく聞くけど、それじゃあ、逆じゃない、、、