「じゃあ俺、風呂入って来ますね。」
「うん、いってらっしゃい。」
わたしがそう言うと、街風くんはなぜか嬉しそうに笑い、そして「"いってらっしゃい"っていいっすね。」と言ってから、「いってきます。」とお風呂へ入りに言った。
"いってらっしゃい"、、、
そんな些細な言葉で喜んでくれるなんて。
わたしはソファーに座り、街風くんを待った。
さっき、街風くんはわたしの嫌がることはしないって言ってたけど、"嫌がること"って、多分あの事を言ってるんだよね、、、
わたしは手を繋ぐのもキスも、抱きしめられるのも、全然嫌じゃなかった。
むしろ、今までの結婚生活で無かったことを体験出来て、胸がドキドキして、更に街風くんのことが愛おしくなった。
触れられることが、こんなにも心地良い事だって、36にもなって初めて知った。
だから、、、もし、キスだけで終わった方がわたしは、、、
「七花主任。」
わたしは街風くんの声にハッとして、振り向いた。
すると、街風くんは部屋着姿で髪の毛をタオルでクシャクシャと拭きながら、お風呂からあがって来た。
そして、わたしの隣に腰をかけると、わたしの髪を触り、「濡れたままじゃ風邪引いちゃいますよね。気付かなくてすいません、ドライヤー持ってきますね!」と言うと、街風くんは洗面所からドライヤーを持って来て、わたしの髪を乾かしてくれた。
男の人にこんなに尽くされるなんて初めて。
街風くんは、何でそんなに優しいの?



