「だっても何も、朝岡さんって誠実そうじゃん?
ナナはそう感じたよ~?」
「───……え……?」
パリパリとポテチをつまむナナに、パチパチと瞬きを繰り返すあたし。
……ってか………
そうだよ。
さっきからナナ、普通に朝岡さんについてペラペラ喋ってるけど……
「───何でそんな朝岡さんの事知ってるの?」
「─────へ?」
「だってナナ、朝岡さんと一回も喋ったことないじゃん!」
あたしがそう問いただせば、今度はナナがパチパチと瞬きを繰り返した。
「………あれ?
ナナ言わなかったっけ?
文化祭の時に当番してたら朝岡さんがうちのお化け屋敷に来たって。」
─────…え……
「───…しっ…知らないよ!!!!初耳だよ初耳!!」
「あは。そうだっけ?
ごめんごめん~。」
「もー!何で教えてくれなかったのよー!?」
「えーだってー。
忘れてたんだもーん。」
「もうっ!!!!」
「ごめんごめんごめんってば。
……んでも何でそんなムキになるのさー?」
「…………っ」
………うっ……。
思わずたじだじしてしまう。
くっ…
くっそぉ~……
ニヤニヤしながら笑うナナにハメられた感があって何かむちゃくちゃ悔しいんですけど……。
「…………ふふーん?
朝岡さんが誰と来てたか教えて欲しい?」
「───しっ知ってるよ!!
……チカ……さんとでしょ!?!?
「そう♪」
ナナはさらにニーッコリ笑い……、
「───じゃあ、
朝岡さんとチカさんが罰ゲームでキスしたか教えて欲しい?」
───────……!
あたしの反応を楽しむナナが、満面の笑みで小悪魔の如く笑った。



