「…マリア…?どうして…」
「───どうしても何も心配したから来たに決まってるでしょ!?
彩一体何してるのよ!」
マリアは……
床に転がってるカッターナイフや大量の薬を指差し、あたしを睨み付ける。
その目は───…
真っ赤で充血してて。
マリアらしくもなく、その目に涙を光らせていた。
「───…あたし…
あれから彩が出て行ってから、心配で心配で気が狂いそうだった。
彩は一人にしてって言ったけど……
あたしはあんな彩を見たら一人になんか出来なかった!」
「……」
だから…?
だからあたしの後を追っかけて来てくれたの…?
「……でも……
彩のマンション着いて……
帰ってるかなってたまたま顔上げたら彩がベランダに立ってて……
な…何かもう今にも飛び降りそうで……
あ…あたし……
も……
心臓止まるかなって思っ───……」
そこまで言って、マリアは言葉を詰まらせた。
ポタポタと涙を流し、床に涙の粒が落ちていく様が不思議で…
何よりマリアが初めて涙を流したのにも信じられなくて……
だってあのマリアがだよ?
強気で、クールで、女王様で、ドSで、プライド高くて、ケンカっ早くて……
それから…
それから───…
「……ど……して…?
どうして彩がこんなに辛い目にばっか遭わなきゃいけないの……?
どうして……
どうして───…っ」
────……
「───彩は悪くないじゃない……
何にも……
何にも悪くないじゃない…
いつもどんなに辛い事あっても折れずに頑張ってるじゃない……
なのにどうして?
どうして彩じゃなきゃいけなかったのよぉ───…っ」
叫ぶように泣いてくれたマリアを見て、あたしの頬に雫が落ちる。
───…泣いてくれるの?
あたしの為に泣いてくれるの…?
「……マリ…ア…」
「……あたしは嫌だ…
彩がいなくなるなんてあたしは絶対嫌だ……!
───彩は……
あたしに初めて出来た親友だから…」



