胃が空っぽになるまで吐いた。
もう胃に何にもないのに、何かのキッカケで急激な吐き気に見舞われる。
気持ち悪い……
気持ち悪い……
「───ごめんマリア…
シャワー借りる……」
「…うん…ゆっくり入って大丈夫だからね」
フラリと立ち上がり、あたしは顔に青筋立てながら浴室へと移動した。
────…ザーッ…
「……」
シャワーを浴びてる途中、ふと鏡に映る自分の姿に愕然。
殴られた跡がどす黒い内出血を起こしてて、毒々しい色をしてたから。
おまけに顔はパンパンに腫れてるし、鼻血出してたのか鼻切れてるし。
「───……っ……
……もうやだ……」
━━━━ギュウウウ!
血が出るくらい強く強く唇を噛み締め、声を漏らさないように泣いた。
身体から血が吹き出るくらい、狂った様に身体を洗うあたしがいる。
「────……っ
~~~~~~っ……」
声を殺した。
息を潜めた。
シャワーの音に紛れるくらいの声じゃないと、マリアに心配かけそうで。
……可笑しいかな。
自分は自分なのに、穢らわしい。
汚ならしい。
自分を殺したいくらい、
自分が気持ち悪い。
…───可笑しいかな。
可笑しいかな……?
─────…カチャ…。
ようやく浴室から出たあたしは、生気を失ったように立ち尽くしていた。
「───…彩。
風邪引くよ…?」
マリアはそんなあたしを優しくバスタオルで包んでくれる。
「……」
動けないあたしを見越していたんだろう、マリアはあたしの身体を拭いてくれて……
……だけどね。
────…カタカタ…
その手が次第に震えてきたんだ。
「……彩……
爪で身体引っ掻いたの…?」
「……」
何も答えないあたしに、
マリアは声を湿らせ
「────…彩……
行こう……?」
「…どこ…へ…?」
「────…警察…
一緒に行こう……?
あたし……
ちゃんと一緒についていくから……」



