─────ザーッ…!
窓を打ち付ける雨が激しさを増した。
まだまだ辺りは深い夜の闇に包まれて、朝なんかこれっぽっちも来る気配はない。
「…」
あたしはその闇の中、目の前の様子をただ人事のように茫然と見つめていた。
クスリの効果も薄れ、少しずつだけど感覚が戻って来て。
…だから…
そう、男が果てていくのを感じてしまうのは辛かった。
…───最後の男が果てた後、車は再び走り始め……
━━━━━ザァァァッ!
雨足はさらに強くなり、道もかなり凹凸が激しくなってきた。
……でももうどうでもいいや……。
どうでもいい…
────けど
もう気力も何も残ってなくグッタリするあたしに聞こえてきたのは、信じられない会話だった。
「……っつかコイツどうする?」
「……殺す?」
━━━━━ゾクッ!
その恐ろしい一言にあたしの目が見開く。
今何ていった…?
───殺……す……?
「あーそれはナシナシ!
それやっちゃったらマジの犯罪者っしょ。」
「だよなー。」
「じゃあ拉致る?」
「なしなし!」
ゲラゲラとそんな会話を普通にするこの人達の神経が……
…もう…
人間じゃないような気がした……
「…っ」
カタカタと再び身体が恐怖で凍りつき、涙が溢れる。
助けて
誰か助けて
朝岡さん───…!
━━━━━キキィッ!
急ブレーキをかけられ、
いきなり急停止した車。
「ほら」
「っ!?」
息つく暇もなく男があたしの腕を引っ張る。
そして
━━━━━グシャッ!
────…あたしは
雨で泥まみれになっている地面に放り投げられた。
びっくりして顔を上げると
「ごちそうさま~」
「気を付けてね~」
━━━━━パサッ!
着ていた服を投げられ、
「───じゃあね♪」
ピシャリとドアが閉まり、車はまた走り出した。
────…あたしを一人残して。



