「───…あー、やっと静かになった。」
「…」
────ヒヤリ…
冷たい感触が首筋に這い、
「───さっきみたいに騒いだら……
───殺っちゃうよ?」
冷たく光るナイフを目の前でちらつかせ、もう焦点さえ合わないあたしを嘲笑った。
「────…」
正気と理性を失ったあたしはダラリと身体の力が抜け、抵抗するどころかされるがままだった。
───…それからの事は…
正直…
よく覚えてはいない…。
ただ───…
「ヤバイって、マジヤバイ」
男達の楽しそうな笑い声、
────…パシャッ!
途絶えることないカメラの音。
聞きたくもないぶつかり合う音に、好奇の目。
────…あたしね?
きっとずっと言っていた。
「……───さ……ん
───あさ……かさん……」
────…あなたの名前を呼んでいた。
でも、ごめんね。
しばらくしてからあたし、もうあなたの名前を呼ぶ事すら出来なくなった。
「────……」
目の前にキラキラした光が見える。
大きな、大きな白い丸い光。
「───…」
あれ……
なにかなぁ…
届きそうで、手を伸ばしてみる。
何が楽しいか分からないけど、きっとあたし笑ってた。
“すごーい!
朝岡さん見て!”
“どれ?”
“ほら、あれ!
すごいキラキラしてるね!
太陽みたい!”
───あなたと二人
花が敷き詰められた様に
咲き誇った楽園で
…───そんな幻想に笑い
光に手を伸ばして触れた瞬間
━━━━━━プツッ
まるでテレビを消した様に、画面が真っ暗になった。
“朝岡さんってさ
あたしのヒーローみたい”
……そんな言葉と一緒に。



