─────…
…─────…
「まなちゃんおはよう♪」
「おはよー」
────…数十分後。
あたしは結局あの後、一人寂しくクリスマスケーキ1ホールをご予約。
その足でHeavenまで到着し、貼り付けた笑顔でみんなにご挨拶を振り撒いていた。
─────パタンっ!
イライラを抑えながらも、気持ちを静めて更衣室のドアを閉め
「───愛美さん、おはようございます。」
「……おはよ」
───今宵も愛美へと変身完了。
今日は淡いホワイトピンクのロングドレスを身に纏い、巻いた髪は普段と違うアップスタイル。
高いヒールを鳴らして螺旋階段を降り、
────カツン…
賑やかなホールに入れば、今日も…
「ねぇっ!!あのフリー客あたしに回してよ!」
「ヘルプでもいいからぁっ!」
───…今日も繰り返される熾烈な女の闘いが始まっていた。
今まで嫌って程この光景見てきたけど…
これも明日で最後なんだなぁって思うと、何だか名残惜しい気もする。
でも今夜は何か一段と争いが激しいなと感じ取った矢先、
「───愛美さん、場内指名です。お願いします。」
「あっ、はい」
もう場内指名入ったんだ、今日はペース早いな~。
昨日営業掛けまくったし、その関連かな?
心の中でガッツポーズをきめ、
「また愛美ちゃん!?!?
あの子今ホール入ったばっかなのに!?!!」
「いきなりフリーの場内指名とか!何で!?!?」
…なーんて聞こえて来る声に負けない様に笑顔を振り撒き
「───当店ナンバー2の愛美さんです。よろしくお願いします。」
ボーイに紹介され、あたしは指名客のテーブルに近付く。
が───…、
「───こんばんは。」
「────え……」
グラス片手に挨拶してくる客を見て、あたしは驚きのあまり声を失くした。
……だって
だってどうして
「───…朝…岡さん…?」
どうして
どうして───…!?



