「───…受け取って?」
カタカタと。
思わず、CDを受け取る手が震えた。
────だって、これがあるって事は…
「───…俺は…
約束守るつもりやったからさ。
離れてる間もずっと彩の事思ってた。
いつかまた絶対会えるって…。
自分でもよく分からんけど。」
「…っ」
“もう二度と会えない”
そう思っていたあたしとは、全く正反対の事を思ってくれていたの?
“いつかまた絶対会える”
離れていた間、ずっと根拠もない希望を信じてくれていたの?
そう願いながら、この曲を作って待ってくれていたの…?
「……約束、果たしてよ。今からでも全然遅ないし。」
「っ、朝岡さん…っ」
次々と果たせなかった夢が現実に戻って来る。
あの時届かなかった願いが“絶望”へと形を変えたのに
あなたの手で、もう一度手が届く“希望”へと形を変えて舞い戻って来た。
────遅くない。
ちっとも遅くないよ。
何度だって何回だって、
諦めなければやり直す事が出来る。
そうやって、壊れたモノを一つ一つ紡いでいきたい。
過去を嘆いていつまでも後悔するより、
これから広がる未来に向けて過去を繋げて行きたいから。
「朝岡さん……っ
ありがとう───…」
「当然♪」
───…輝く朝日をバックに。
「───忘れんといて。
俺はこの時点でかれこれ四年も彩の事思い続けてるんやから。」
「…っ…うん…」
「───あと。」
「?」
「───もういい加減思い知って。
俺は────…」
いつでも彩の味方やから
──…出会ってから四年。
幾度となくあたしにそう言った台詞を、もう一度口にした。
「…うんっ…」
───信じるよ。
もう絶対疑ったりしない。
もうその意味を考えたりしない。
二度と裏切ったりなんかしないから。
「───好きっ…」
───あたしは
誓うように、朝岡さんにキスをした。



