手を絡め、コツンと額と額をくっ付けあたしは笑った。
「───…信じて……」
やっと意味が分かったよ。
“強がる”と“頑張る”は似てるようで違うよね。
無理して強がるんじゃなくて、みんながいるから自然に頑張れるって事。
……分かったから。
だからあたしを信じて。
「……何か……
俺が励まされてどうすんのって感じやよな……」
「…え…」
「───…彩強くなった。
俺が知らん間に。」
────スッ…
朝岡さんは絡めていた片方の手を緩くほどき
「───ッ!…ん、…っ」
代わりに深く舌を絡めてきた。
「───…何か俺が出来る事ない?」
「…え…、──っ!!ぁ…!」
────スルッ…
簡単に服が脱がされ、背中にキスの雨が降ってくる。
「、っは…」
唇が離れる瞬間の吐息も反応する要素になるなんて、あたしの身体どこまでおかしいの。
「……も…うっ十分だから……ほんとにじゅうぶ───んっ…!!」
─────ビクッ!
朝岡さんの手がそのまま胸に回ってきて、あたしは驚きの余り少し身体が跳ねる。
「───…残念やけど俺は十分じゃない。
全然足らん……」
背後から甘い言葉で責められて、みるみる顔が赤くなる。
顔も姿も見えない分、
何されるか分からない予想不可能な一つ一つの動きに、
「──ゃ!!…~っ…」
とっさに声が上がってそれを押さえて、の繰り返しで。
ホント、全然反応が追い付かない。
「───だから」
「…っ…?」
「───頼むからもっと俺を頼って。
もう……
何も言われんと離れられるのだけは絶対に嫌や…」
────ポツ…
ポツポツ────…
「───朝……岡さん…?
泣い…てるの…?」
────ギュッ…
朝岡さんは何も言わずにあたしを強く抱き締めた。
その時背中に伝った涙の冷たさで
離れていた間、朝岡さんがずっとどんな気持ちで過ごしていたのか──…
語ってくれなくても、少し分かったような気がした。



