あなたがいなければ、
こんな勇気は湧かなかったと思う。
────ヒュッ…!
高いミュールを脱ぎ捨て、あたしは勢いよく窓から外へ放り投げた。
「……よっ…と…」
ねぇ朝岡さん。
あなたの声が聞けるのなら、あたしはどこまでも強くなれるよ。
────ヒュウウ…
「…こわ…」
二階とは言えど、高さがあって当たり前。
あたしは裸足で窓枠に登り、目を閉じて深く深呼吸をした。
───すうっ…
近くの木に視点を定め
あたしは
窓から
飛び降りた
─────…ふわっ
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「───っきゃーっ!!!」
無茶するんじゃなかったぁぁぁあ!!!!!
引力に引っ張られ、落ちていく自分の体に涙と叫び声を上げながら
━━━━━ガシッ!
……………
……………
「……い……
……生きてる……」
……な…何とかね。
かなり危なかったけどね…。
枝に掴まり、ブラブラと体が浮いてる状態は相当危ない。
「───…今日クラッシュデニム履いてて良かったよ……」
────…ストン。
あたしはパンパンと服に付いた葉っぱを払いながらそう呟いた。
これが“彩”だったらどうなってたか。
「───…ワンピはぐちゃぐちゃ、もしかしたら破けててそれこそ悲惨かもね…。」
……それか怖くて飛べないでベソかいてるかどっちかだな。
「───……って!!!!
んなことより早く急がないと……!」
あたしはもう一度服を払い、放り投げたミュールを急いで履き直した。
───…時間は刻一刻と過ぎ、もう開場時間をとうに超している。
……ダメだ。
もう今から電車なんか乗ってたら間に合わない。
「───タクシーで行っ…」
─────ズキッ!
「────っ……!?」
走ろうとした瞬間に足に走る電気のような激痛。
「……~~~~っ
────痛……っ」
あたしは右足首を捻ってしまい、再び地面に突っ伏した。



