DEAR 2nd 〜Life〜





「──まなちゃん?」







───…ダメだ。





こんなんじゃ全然ダメ。




何もかもマキのせいにしてスネてたら、ここまで来た意味ない。





人のせいにしてたって何も変わんない。




本当の意味で前になんか進めない。





だから生まれ変わりたくて、全てを捨てて来たのに。







───もういつまでも弱い“彩”じゃいけない。





せっかくこういう接客業に来たんだし。




“人を見る目”を養いたいな……。






「───萌ねー、美月ちゃん尊敬してるんだぁ♪




同い年であんな早さでナンバーワンになって、すっごい努力家さんだよねっ♪




それに気取ってなくて、仲良くしてくれるから大好きなの♪




早く萌も追い付きたいな~♪」






この子は───…



そんな子じゃなさそうだ。





信じてみよう。





こんな時だからこそ。






「───萌……」




「なぁに、まなちゃんっ♪」





「あたし入店したばっかで全然よく分からなくて…。あの、良かったら色々教えてね。」





「もっちろーん!!

一緒にナンバーワン目指して頑張ろぉっ♪」







───…萌は、マキのいじめ以来初めて出来た友達だった。





競争が激しい世界でビクビクしていたあたしに、萌は持ち前の明るさで自らあたしに近づいて来てくれた。





友達の作り方を忘れてしまったあたしに、もう一度友達という接し方を教えてくれた萌。





この世界で、こんなやり取りをして友達が出来たから“泣きそう”になったなんて言ったらビックリされるだろう。





そんなキャバ嬢も珍しいと思う。





それでもあたしは嬉しかった。





こんな小さな女の子同士のやり取りさえ、懐かしくて嬉しくて。





それをまた壊さないように大切にしたいな……










「───愛美です。よろしくお願い致します。」





「あれ?見ない顔だね。

いつから入ったの?」





「今日から入店したんです。まだ全然慣れてないんですが──…」





「あはは、でも新鮮でいいよ。飲んで飲んで♪」





「はい、気遣いありがとうございます。」






────接客。





断じていた、人との交流。





楽しくて、どんどんこの仕事にやりがいを感じる程に───…






こんなにも、人との関わりを切り離していた自分に驚いた。