DEAR 2nd 〜Life〜






────カツン…






一歩一歩離れていく美月の背中を感慨深く見つめていると







「───ねーっ♪♪♪



美月ちゃんって本当すごいよねぇっ!♪」





「──えっ!!!!」






いつの間にかあたしの隣にちゃっかり座り、美月を尊敬の眼差しで見つめている女の子───…





……っつか誰!?!?






「───あ、愛美ちゃん初めましてぇ♪





───あたし、萌っ!




最近入店してね、多分愛美ちゃんと一番時期近いよぉっ♪」






えへへと屈託ない笑顔で笑う“萌”は、確か──…






「───あっ!!



もしかして、さっきの成績発表で10位だった萌ちゃん?」





「ピンポーンっ♪」






栗色のくるくるパーマが当たっているショートカットに、バービーみたいな大きい目。





白いドレスを着て、キャッキャとエクボを作って笑う彼女は──…






───まるで“天使”みたいだ。






「───ねぇ、あたし愛美ちゃんの事“まなちゃん”って呼んでいーいっ?」





「う、うん」





「じゃあ萌の事は“萌”って呼び捨てにしてぇっ♪

あたし多分まなちゃんとタメだよ♪」





「……えっ本当?」





「うんっ♪



同じ時期に入店した子がいなかったから寂しかったんだぁ。




さっき朝礼でまなちゃん見た時、ビビッて来たのぉ♪




何か童話から出てきたお姫様みたいでビックリしちゃった!




さすが美月ちゃんの友達だなって感心したもん!」





「………」





「?どったの?」






「…ううん…」








───トラウマ、だろうか。









本当は





あたしがナンバーワンの

“美月の友達”だから

近付いて来たんじゃないの?










───…あたしは、どうもマキの件で人を疑ってかかってしまう癖がついたらしい。





せっかくここで新しい友達を作るチャンスなのに、どうも言葉の裏を読もうとしてしまう。






……やだ……





萌はどう見てもいい子そうなのに。




そんな感じに見えないのに。







───だけどマキも最初はそうだったんだ。









─────人が怖い。






どうも信じられない、




言葉が胡散臭い。







───…あたしはここで、






女の子に対して完璧に

“人間不信”に陥っている事に気づいた。