「───彩ーっ!!!!
どうだったどうだった?」
面接が終わり、扉を閉めるやいなや美月が待ってましたとばかりにホールから飛んできた。
「───うん、正式に採用頂いたよ。
初出勤、来週からだって…」
照れくさそうに笑い、
“ありがとう”と美月にお礼を言うと
「───…よかったぁ…
ほんとに良かったね。
分からない事とかありまくりだろうけど、遠慮なく聞いてね♪
言っとくけど、うちは大学の子達みたいに豹変したりしないから、ねっ?」
────ポン……。
ウインク一つして、美月はあたしを安心させるかのように背中を叩いた。
「……うん……美月…
ありがとう……」
やっぱり持つべきものは
“本当の友達”だなぁ……。
たとえ友達少なくても、美月みたいに心が通じ合って、思いやりある子が自分の友達だったら。
───…それでいいんだ。
友達は、“数”じゃない。
「───ところで、源氏名は何になったの?
“彩”のまま?」
「───あ、ううん。
“愛美”になった。
“愛”に“美しい”で愛美。」
「───…へぇ~…
愛美かぁ………
いいじゃん、ナイス♪」
「うん♪」
そう笑いかけると、美月はあたしの手を引き
「───じゃー行こっ♪」
「え?」
行くってどこへ……
グイグイと美月に引っ張られ、Heavenを後にし──…
「───さーっ!!!!
入って入って!好きなの選んで!」
───…連れてこられたのは、すぐ近くに隣接しているドレス専門ショップ。
「───いらっしゃいませ。」
「───……へ……」
─────キラキラキラ……
まばたき何回しても足りないくらい、眩い色とりどりのドレスが光を放つ。
レッド、ブルー、グリーン、オレンジ、ブラック──…
体のラインに合わせた様々なデザインのカクテルドレスがまぶしい。
───…何……?
け、結婚式でもあるんですか?
全く現状を把握出来ず、
おどおどと美月とドレスを交互に見つめていると
「────愛美。
好きなドレス、一着選んで?」
美月は“あたし”の名前を呼んで、ふわりと微笑んだ。



