DEAR 2nd 〜Life〜




キュッと胸が詰まる。





いつから、あたしはこんなに痛みに強がりになった?




いつから誰にも何も言えなくなった?






「───…美月……




あのね…あたし──…」







いつから







「───…あたし……





いじめ……られてるんだぁ……」







SOSが言えなくなった?








「────…え……?」






だってカッコ悪い。




自分がいじめられてるなんて認めたくない。




知られたくない。




情けない、恥ずかしい。






「……へへ……



大学にもなって……今さら、だよね……



カッコ悪……」






───…ほら、また。





変なプライドが先走って、自分を守る言葉が殻を張る。





あたしはいつもそう。





他人の視線や、自分がどう思われているかが怖くて、身動き出来なくなって自爆する。





飛べない鳥が空に憧れているように、あたしも何かに追い付きたいけど実際は出来ない。






────…もう、やだ。





こんな弱い自分が嫌い。




嫌い。





─────大っ嫌い。







「───いじめって……



何……?まさか彩がいじめられてるって事……?」






─────………





…………────






あたしは、初めて自分の身に起こっている事を吐き出した。






「───…何それ酷い…



ただの勘違いから来る妬みじゃん……」





美月は固唾を飲むように、神妙な顔つきで静かに耳を傾けてくれていた。





「……」





グスグスと鼻を擦り、真っ赤な目で頷く事しか出来ないあたし。






「───…だからあんな夜遅くまで働いてたのね……?」





美月は眉をひそめ、何とも言えない複雑な表情であたしに桜色のハンカチを手渡した。






「───…これはさすがに人間として終わってるよ。




やることの域超えてる。」





美月はダンボールを拾い、唇を強く噛み締めた。





昔から知っている親友が、今こうしていじめられているなんて知って複雑だろう。





あたしも、美月や由梨、ナナがいじめられているなんて聞いたら理解出来ないと思う。





それぞれの良さを知っているからこそ…




同じ時間を共有して来たからこそ…







「────許さない…」






あたしもそう言うだろう。