───…やがて、目の前に運ばれた夜遅くのご飯。
う、わ。
深夜にこんなもの食べたら胃がもたれそう……。
「おいしそっ♪いただきまーす♪」
……けど。
そんな心配をよそに、美月はお腹が空いていたのか次々と平らげていく。
あたしはそれを見つめながらもタイミングを見計らい、疑問を口にした。
「……っていうか美月さ?今学生なの?」
「んーん。大学行ってないよ、もう働いてる。
───こう見えてなんちゃって社会人よん♪」
「えぇ!?!?こんな遅くまで働いてるの!?!?」
「……うーん、まぁ。
ってか、それは彩も同じでしょ?彩こそもう働いてるの?」
「……いや……あたしは今大学行ってる……」
「───う、ぇぇ!?!?
大学生なの!?!?
学生のくせに、こんな深夜まで働いて何してるのさ!?」
「……え、えっと…まぁ生活費とか……一人暮らしだしさ……。」
「へぇ~……大変だね~……学業に支障出そうだねぇ……」
………………
……言葉に濁り、軽く笑って誤魔化してスープに口を付けていると
「───あ!!!!★
てかね、あたしこの前久しぶりに由梨とも会ったんだよ♪」
「───…え…」
由梨───……
「由梨は相変わらずだね……。
──…ってかそう!
その時彩にも連絡して三人で再会しようって思ったのに、彩に連絡繋がらないんだもん。
彩ケータイ変えた?」
「……あ……うん…。
ついこの間……」
──…そういやあれから……。
結局繋がりを消すかのように、誰にも“ケータイ変えました”報告してないもんなぁ………。
「───んもー!!!!
ならそれを早く言ってよ、焦ったじゃん!」
「……ご、ごめんごめん…これ───…」
慌ててケータイを探し、美月に差し出す。
「……ったくもう……」
────ピッ、ピピッ…
美月は綺麗な指先であたしの番号を登録し直しながら
「………そん時由梨に彩の状況チラッと聞いたんだけどぉ………
───彩、超カッコいい人といい感じなんだって?」
「─────!?」
「お、その様子じゃ本当っぽいね♪」
美月はあたしの表情を見て、ぷくくと笑った。



