「───みっ、美月っ…!?!?何でこんなとこにいんの……?」
驚くあたしに、美月はケロッとしていて
「何でってこの近くで働いてるから♪
ってか彩こそこんな時間に何してんのよー!?!?」
「……あ、あたしも今まで働いてて……」
「何だ超奇遇じゃん!!!!
しかもこんな深夜にこんな街中でっ♪何か運命感じる~♪
───あ、ねぇ♪
せっかくの再会だし、良かったらこのままどっかで話そうよ~!!♪」
「……えー…!?!?」
「あたし仕事上がりで超~~お腹空いてるんだもんっ!!!!」
「………もう~……」
くいくい腕を引っ張って甘える美月に、あたしは苦笑して負けを認めた。
───…中学時代。
あたしは常に三人で行動を共にしていた。
“彩、由梨、美月”。
三人は性格、ルックス共にバラバラ。
あたしはと言うと、甘い物や可愛い物、姫系。
由梨は、サバサバ、ボーイッシュ、爽やか、スポーツ系。
そして美月はセクシー系。
お姉系の綺麗なスタイルを好む彼女は、当時から学校ではマドンナ的存在だった。
バラバラだったけど、それがいい具合にミックス、調和。
いつしか、三人は“かけがえのない親友”という域にまで達していた。
──…深夜の某ハンバーグ店。
「───あー!!!!
お腹空いたぁ!もういっぱい食べちゃおーっと♪」
美月はあたしにも見えるように、パラパラとメニュー表を広げた。
「………」
食欲ないなぁ……。
あんまり積極的にメニューを覗き込まない彩に気が付いたのか、
「───お?どした?
お腹空いてないの?」
美月はちょっと意外、という顔であたしを見つめた。
「……ん~……何か温かいスープくらいでいいや。」
「───何!?!?珍しい!
あの大食い彩がスープだけでいいの!?!?」
「……美月に言われたくないし……。」
「あはっ♪そーお?
……ってか、疲れてる?
あたし無理矢理誘っちゃってごめんね……」
シュン……とうなだれてしまった美月に慌てて手を振り
「───ちょっ、違うよ!!そんなんじゃないから!
ってか、あたしも久しぶりに美月に会えて嬉しかった……。」
そう言うと、美月はホッとしたように笑った。



