血液が沸騰してしまうんじゃないかってくらい熱い。
「───それにさぁ~?
服が二日とも一緒だったんだもん。
あれが動かぬ証拠だよねぇ。
………ま、アイツの男の方がいい男だったし、そこはラッキーだったけどぉ~……」
「───大丈夫だよ、マキ。みーんなマキの味方だから♪」
「やーん、もう感動~!!!!やっぱ持つべきものは友達だよねー♪
本当にありがとー★」
アハハと甲高い声が部屋に響き渡り、三人は更衣室から出ていった。
「────……」
ずっと
ずっと
分からなかった。
“いじめられる理由”が。
……でも今やっと分かったよ。
────…そうか…
そういう理由だったんだね………。
あたしが斗真くん寝取ったと思ってるんだ?
それで次の日も朝岡さんと来たからよけいに───……
確かにあの次の日から、
みんなしていきなり態度豹変したもんね……。
「───……勘違いだよ…」
酷いよ。
どうしてそう決めつけるの?
あたしより勝手な思い込みを信じて、あたしを信じてくれなかったんだ?
あたし絶対に斗真くんを寝取ったりなんかしてない。
だってあの日斗真くん言ってたよ?
マキの事で悩んでたよ?
何で斗真くんまで利用して踏みつけるの──…
何で同じ事仕返しして、
朝岡さんを────…
……………
「───……ふっ……
ははっ………」
そう言ったって、誰も信じてくれないんでしょう。
どんな言い訳言ったって、全部嘘だってはねつけられるんでしょう?
────40人対1人の戦い。
そこに何が見える?
何をやったって無駄じゃないか。
抵抗したって、しょせん一人。
追い風を煽らせて、余計に傷つけられるだけ。
「───…ふふっ…
あはは………」
────もういい。
もういいんだ。
理由が分かっただけ、まだマシかな。
────全ての中心。
それはかつて信じていた友達。
────マキだった。



