「……………」
「───彼氏じゃないんでしょ~?
だったらエリカは、彩がNOって言う権利ないと思うんだけど~。
友達の幸せに協力してあげないの~?」
「…………」
────権……利……。
彼女じゃないから。
決める権利は、朝岡さんにあるって事?
でも、待って
朝岡さんはあたしの───……
「────……」
“好きな人”。
……でも、何十人もの威圧感に苛まれ、言葉を飲み込んでしまう。
───すると次の瞬間
━━━━━━ガラッ!
「…………れ?
みんなどうしたの?」
マキがみんなとあたしを見つめ、不思議そうに首を傾げていた。
「……マ……」
「───マキ、おっかえりー!♪
あのね、吉報だよ!!♪」
────ドンッ!
マキの名前を呼ぼうとした瞬間、ミユがあたしを押し退けるかの様に前へ出て
「───彩がねっ♪
さっきマキが一目惚れした人、紹介してくれるって♪」
──────!
「───…ちょっ…
ちょっと待って……」
待ってよ
待って
そんなの一言も言ってない
朝岡さんを紹介するなんて、あたし一言も言ってない───……!
「───えっ……
マキが“カッコいい”って言ってた人……!?」
「うん、そうだよ♪
彩が“友達だから”、マキに協力したいって♪
───ねっ、彩っ♪」
───…一人凍り付いているあたしの様子を、まるで誰も目に入らない様子で
「───……うそ……
本当に……?
あの人に会えるの……?」
マキは頬を赤く染めて、嬉しそうにあたしを見つめた。
「マキが一目惚れなんか珍しいもんな♪
もしかしたら運命かもよー?」
「よかったねぇ♪
恋のキューピッドの彩に感謝だね、マキっ♪」
「……うん……
彩、ありがとう……
あたしの気持ち、分かってくれて……。
それに協力まで………」
「……………」
「───…彩にさっき気持ち吐き出してよかった。
あたし、今度こそ前に踏み出せそうな気がするよ。
本当にありがとう。」
─────ギュッ。
マキは、涙ながらにあたしの手を握った。



