───…数十分後。
「───はい、到着♪」
「ありがとう!
朝岡さんは間に合う?」
「おぅ全然余裕♪
これから吾郎と壱も乗せて行く予定やし。」
「そっか、ありがとう。
じゃあ……行くね。」
「うん、またな♪」
「うん!!朝岡さんも気を付けてね♪」
────パタン!
笑顔で手を振り、
「……行っちゃった……」
朝岡さんが見えなくなるまで、しばらくその場に立っていた。
───現実の世界かぁ…。
好きな人といる時間が夢の世界に例えるなら、学校は明らかに現実の世界だ。
………憂鬱………。
───ってダメダメ!!
明日は待ちに待ったデートだもん!!!!
今日一日くらいは頑張ろう!
───…よしっ!
新たに変な気合いを入れて気分を引き締め歩き、
─────ガラッ!
「おはよー。」
もう既に輪になって話している、マキ、ミユ、エリカに声を掛けた。
「はよ。」
「おはよ。」
「おはよー。」
三人が挨拶を返して来てくれたところで
「───彩っ♪
マキと彩ね、今日当番だからさっ、次の心理学の授業で使う道具教室に一緒に取りに行こっ♪」
「───あ、うん。
ちょっと待ってね、レポートだけ提出していく──…」
「───彩~っ!!!!
早く行こ~っ!!!!」
「うっ、うん!!!!」
────パタパタ…
慌てて次の授業での課題レポートを教壇に提出、マキの背中を追う。
……しばらく歩いて教室に付き、資料などを分け運ぼうとした時
「………そういや彩、昨日大丈夫だった?」
「え?」
「ほら、気持ち悪いって先に帰ったじゃん?
あれから一人でちゃんと帰れた?」
「……あ、あぁ…うん……」
そういやそうだった。
朝岡さんに会ったから、すっかり悪酔いしてたの忘れてたよ……
「……そう。
───ならいいんだ♪
マキ心配したっ!」
────…あ……。
そういや斗真くん昨日……。
『マキとはもう、別れようと思ってる。』
……そう言ってたけど……。
マキ……
実際、斗真くんとはどうなってるんだろうか……。



