好きな人だからゆえに、
身体は敏感になってしまうのだろうか。
────ビクッ……!
「─────…ッ…」
微かに漏れる吐息が首に触れるだけで、勝手に反応してしまう。
「───…これ……
何の香水……?」
「───…え?えっと……
───…っ………!」
───朝岡さんは。
きっとあたしに答えさせる気なんか、さらさらないんだと思う。
……だって本当に聞きたかったら
「────……っ」
こんな風に口元を手で塞いだりしないでしょう?
「───どこの香水?
何かすっごい誘われるんやけど」
「─────…ッ…」
────スルッ…
どうやったのか、朝岡さんは器用にあたしの服を肩まで下ろし
「────ッ……、
あ…さおかさん、待っ──…」
またしても“待って”とは最後までは言わせてくれず、
「─────っ!!」
少しだけ熱い感覚が肩に残る。
その瞬間ビクリと再び身体が反応して
────ギシッ…
「───…俺シャワー浴びてくるな。」
朝岡さんは少し悪戯に微笑んで、シャワーを浴びに浴室へ行ってしまった。
────…ペタン……
朝岡さんが行ってしまった後、へなへなと床に崩れ落ち、全身の力が一気に抜けた。
「───…もっ…もう~…!!!!!」
これじゃ心臓もたないよ!
朝岡さんのバカ!エッチ!いじわる!
───…ドクドクドク…!
朝岡さんのお陰で、心臓は今日も絶好調。
はだけた服を戻そうとすると、
「───…ん……?
───~~~~!?!?!?」
こっ、
これって
────…そう。
そこには、まるでさっきの甘い時間がウソじゃないことを証明するかのように、小さな印が印されていた。
「───…きっ、
キスマーク……?!」
─────かぁぁぁっ!
う、うそ………!!!!
「………っ、」
頭まで真っ赤に染まった顔で
─────ザァァァ……!
遠くから聞こえる水音を聞いていた。
───…愛しいあなたがシャワーを浴びている姿を、脳裏にそっと思い浮かべながら。



