DEAR 2nd 〜Life〜





「……ほんと?」




「……うん。


“いつか”のその時、彩がオッケーやったらね♪」





「───いっ……行きたいっ…!」





─────ギュッ…!





嬉しさを抑えきれず、朝岡さんの腕に抱きつく。





「……じゃあ……


いつか一緒に行こう。」








「───……あたし……


朝岡さんと一緒ならどこだっていい……。」






「……彩……」







───…恥ずかしくて恥ずかしくて。



抱きついた朝岡さんの腕に埋もれて顔を隠した。






………嬉しかった。



たとえお世辞でもウソでも嬉しかったよ。



未来の約束が一つ増えるたび、生きていく希望みたいなのが湧いた。




知らない土地でも、二人肩を並べて。



まだ見たことない景色を、一緒にこの目に映したい。





……そうやって。



まだ知らない世界の広さを、二人で共有出来たらどんなに幸せなんだろうね──……?







────…ギュッ。




腕に絡まって隠れているあたしの身体を、そっと包み込むように朝岡さんが重なってきて。







「───…あのさ……




じゃあ、その“いつか”に期待していい……?」






朝岡さんが耳元で掠んだ声を出して問い掛けた。





───…顔を上げて朝岡さんを見つめると







「───…なーんてな。





いつになってもいいよ。




……待ってるから。」







そう言って軽く彩の髪に触れ、コーヒーを淹れにキッチンへ消えてしまった。





「…………」





触れられた髪を自分で触りながら、頬を緩める。






……ねぇ、本当はね。






もう好きだよ。






朝岡さんが望んでる

“いつか”はもうすぐそこまで来てるよ。






───本当は……




別に今言ったって結果は変わらない。





……だからこそ





自分で誘って自分で決めた日に、




あなたの事を思い巡らせながら買った服で





あなたにゆっくりこの想いを伝えたいって……






最高のシチュエーションで驚かしてあげたいから。





だからあと1日。





予期せぬ最高の1日にしてあげたいと願うから。





だからごめんね。





あと1日だけ、待っていて────……