─────ヒュゥゥ……
春の生温かい風を感じて、さっきまで忘れていた目眩と吐き気が再びあたしの体を襲って来た。
「……もうちょっと……」
もうちょっとだから……
頑張れ…………
──それでも必死に駅のロータリーまで歩いていた時、
「───…うっ……」
─────グラッ……!
とうとう視界は白く霞み、行き先が歪んで全く見えなくなった。
────…あ
本気ヤバい……………
─────…………
……光が見える……。
見慣れたシルバーのエスティマ───…。
ハザード……?
────あれは………
「─────彩!?!?」
─────バンッ!
ドアを閉め、中からは血相を変えた
「───…朝……岡……
……さん───………?」
けれど朝岡さんを確認する前に──…
────フッ……
あたしの意識はもう、どこか遠くへ飛んでしまった。



