見えなくなった新幹線を見つめ、途方に暮れて





───グシャッ!






「…………っ」




勢い余って、不様にもそのままホームに転んでしまった。






────…じわ……






転んで擦れた膝に、網目状に血がうっすらと滲む。






「───…痛い……」






痛いよ




心が痛い






「───…ふっ──……」






ただ涙が止まらなくて






────ポタポタッ……






握り締めた手紙が涙に染まっていく。






あなたはいつもいきなり現れて




いつもいつも風のように心を奪って行く。





そうやって、いつもあたしの心を掻き乱して狂わせる。






「───…何で今さら……」





ほんと、何で?






ねぇ、やっぱりまだあなたが分からないよ。






でもね、わざわざ東京からこうして卒業を見届けに来てくれた優しさは一生忘れない。






会えば泣きじゃくってしまって、





肝心な“ありがとう”を言う余裕なかったけど。






こうやって、ほんの一瞬でも再会出来たこと………






きっと一生忘れない。






忘れない。






忘れたりしないからね───…







「────ありが……と………っ………」








そして







「────…さよなら…」







もう、新幹線の形もない線路にただそう言った。





もう一生会うことはないだろうから。






────ねぇぶんちゃん。






高校生活の始まりはあなたで始まり





高校生活の終わりはあなたで幕を閉じた。








そんな





切なくも温かい





高校生活でした。