「───彩、何お願いした?」
「えっ?」
階段を降りながら、朝岡さんが笑顔でそう聞いてきたけれど。
「────ひーみつっ♪
朝岡さんは何お願いしたっ?」
「───じゃあ俺も秘密っ♪」
「…………」
……へへっ…。
お互い笑い合いながら、何故か照れて歩いていると
「────ん?」
一際込み入っている場所が視界に入ってきた。
何だろ、あれ……?
首を傾げて近づけば、
「─────…あ……」
そこで
お巫女さん達が、忙しそうにたくさんの御守りやグッズをズラリと並べていたんだ。
中でも目に入って来たのが───……
「───幸福を呼ぶ……魚───……?」
指先で摘まむ程度の、小さな金色の魚。
他にもカエルやニワトリ、ウサギなんかがあるけど───……
「……この魚が一番可愛いかも………。」
────カサッ。
魚が入っている袋の後ろをよく見ると、
“身に付けているだけで幸せの運気が上昇します。
魚は幸せを泳ぎ運んで来てくれます。
常に財布などに入れておくとよいでしょう。”
………へぇっ……!
幸せを運んでくれる魚かぁ……。
─────キラリ。
金色の輝きを放った魚をジッと見つめていると
「────そうだ……!」
頭の中であるアイデアが浮かぶ。
もう考えるより先に
「───これ下さいっ…!」
そう言って、迷わずにその魚を買った。
───……だって
朝岡さんの誕生日プレゼントにしようと思ったから───……。



