千悠くんは甘くて危険

ーー……


「相楽(さがら)さんいますか?」


次の日の学校のお昼時間。


私のクラスに黄色い悲鳴が響き渡ったと同時に全員が私の方をギラッと見た。その理由は言うまでもなく、美藤くんが私を呼んだから。


私は食べていた弁当を即座に片付け手を伸ばして立ち上がった。


「え?!はい!います!」


「話したい事があるんだけど…今大丈夫?」


え、え、美藤くんから呼び出しって何?!


ドキドキしながら美藤くんの後をついて行くと、屋上についた。…屋上って施錠されてなかったっけ?今はそんな事どうでもいいか。


「あの!話したい事って!」


告白の返事はもらったし、思い当たる節もない。


「お前さぁ…人をビンタした上に投げ飛ばして謝らないで逃げるってどういう事?」


あれ?今、美藤くんに似た声の人がいたのかな?目の前の美藤くんはニッコリ…し、してない!王子様フェイスはどこ消えたのというくらい…悪役サイドの顔してる。