Music of Frontier

生きる意味をなくし、人生に絶望したルトリアに、俺は何をしてあげられるだろう。

考えて、考えて、でも思い付かなくて、俺はただ自己満足の為に、病院に通っていた。

本人に会えないのだから、通っても仕方ないと言えばその通りなのだが。

でも、何もせずにはいられなかった。

俺は酷く後悔していたのだ。

ルトリアが一番苦しんでるときに、俺は何の力にもなってやれなかった。

そのことが悔やまれてならなかった。

親友だって言ってたのは、言葉だけかよ。

なぁ、ルトリア。

俺を…もっと。もう少し、頼ってくれても良かったんだぞ。

人生に絶望する前に、俺を思い出してくれて良かったんだぞ。

叶うなら、今すぐにでもルトリアの傍に寄り添って、励ましてやりたかった。慰めてやりたかった。

帝国騎士にはなれないけど、でもお前という人間の価値はそれだけじゃないんだって言いたかった。

でも…今のルトリアには多分、そんな生易しい言葉は、届かない。

何もかもどうでも良い、と人生を投げ出して、自棄になっている人間に、どんな言葉を投げ掛ければ良いのだろう。

今の彼の前には、どんな言葉も届かない気がした。

それでも俺は、ルトリアの傍にいてやりたい。

少なくとも、孤独から解放してあげたかった。

お前は一人じゃないんだってことを伝えたかった。

だから。

俺はその日、ルトリアの担当医に、ある提案をした。