Music of Frontier

「はぁ…。それよりミヤノのプレゼント開けてやれ」

呆れ顔のルクシーが、俺にそう促した。

「あ、はい」

ミヤノは何をくれたんだろう。

エルーシアと違って、ミヤノのプレゼントは毎年変わる。

普通プレゼントは毎年変わるものだけどね。

去年は確か、お洒落なマグカップだった。

「ミヤノのプレゼントは何ですかね?」

「あんまり期待するなよ?あくまで俺の趣味だし…」

「ミヤノは趣味もセンスも良いから、何もらっても嬉しいですよ」

ミヤノのプレゼントも柔らかいから、衣類か何かかな?

あるいはタオルとか…。

うきうきと開けてみると、中には、薄いベージュの、お洒落なストール。

「おぉ…!素敵じゃないですか」

「気に入ってくれたか?」

「えぇ、勿論」

ミヤノのお洒落のセンスに、今年も脱帽である。

俺一人だったら、絶対こんなの選べないよ。

「良いですね、ストール。俺、初めてもらいました」

ストールなんてお洒落アイテム、俺には勿体ない。

モデルのお仕事で、何度か身に付けたことはあるけど…自分で買ったことはなかった。

しかし、このストールがお洒落なのは良いことなのだが。

一つ不安が。

「俺に着こなせるでしょうか…?」

ストール巻いてる男性…ってさ。

皆例外なく、お洒落な感じがしない?

俺にはハードルが高い気がする。

するとミヤノは、笑いながらこう言った。

「大丈夫だよ。ルトリアは顔が良いから。何着ても似合うよ」

「えー…。それはミヤノでしょ…」

ミヤノったら、自分がお洒落なものだから、無意識にお洒落基準が高いんだな?

「何ならそのTシャツ着て、そのストール巻いても大丈夫だよ。ルトリアなら似合う」

「マジですか…。じゃあこの後、このTシャツにストール巻いて写真撮って、Twittersにアップしますね」

「ミヤノとエルーシアにもらいました!やったー♪」って。

よし、そうしよう。

誰でも良いから、とにかくプレゼントをもらったことを自慢したい俺であった。