Music of Frontier

更に、誕生日プレゼントをくれるのはファンだけではない。

「ルトリアさん、これ…。『R&B』の出資者の方から、ルトリアさん宛にと…」

「?」

ユーリアナさんは、俺に小さな紙袋を差し出した。

『R&B』の出資者…と言うと、『R&B』の更に上、とてもえら~い人からの贈り物ということになる。

「何ですかね?」

「ルトリアさんの誕生日なので…プレゼントだそうです」

そんな偉い人からプレゼントをもらうなんて…。大丈夫か。

むしろ怖いんだけどな。何かお返しとかするべき?

「何が入ってるんでしょうね…?」

「さて…。私も中身までは聞いていなくて」

「開けてみたらどうだ?今ここで」

あ、そうか。

紙袋の中には、黒いリボンがついた小さな白い小箱が入っていた。

何だ?これ。

ぱこっと蓋を開けると、中には。

「…!?」

「うわ…。結構良い奴じゃないか?それ」

何処かで見覚えのある…青い薔薇のブローチ。

そして、『Happy Birthday』と直筆で書かれたバースデーカード。

このブローチって確か…あのゴスロリの人がつけてた…。

…まさか、お揃い?

「…」

素直に喜んで良いのか分からない、微妙なプレゼントである。

いや、プレゼントそのものは嬉しいのだけど…何だか危ない人から、危ないものをもらったような気がする。

本当にもらっちゃって大丈夫なのか不安になるが、とにかく誕生日プレゼントには変わりないので、有り難くもらっておくことにする。