Music of Frontier

「…にゅふふー」

「…アイドルらしからぬ気持ち悪い笑顔だな。ルトリア」

「だって~、仕方ないじゃないですか」

にゅふふな笑い声も出ちゃうよ。

こんな嬉しいもの見たらさ。

朝起きてすぐ、俺は「今日は俺の誕生日です!わーい\(^_^)/」とツイートしたところ。

たくさんの、心優しいフォロワーの皆さんが。

「おめでとうございます!」とか、「ハッピーバースデー!」というコメントを続々くれた。

こんなの見たら、喜ばずにはいられないだろう。

嬉しいなぁ。

顔も見たことがないファンの皆が、俺の誕生日をお祝いしてくれるなんて。

そりゃ俺がにゅふにゅふ笑うのも当然というものだろう。

しかも、『R&B』事務所に着くと。

「あ、ルトリアさん、ルクシーさんも。おはようございます」

「ユーリアナさん。おはようございます」

「おはよう、ユーリアナ」

我ら『frontier』の頼れるマネージャー、ユーリアナさんが出迎えてくれた。

しかも。

「今日お誕生日ですよね、ルトリアさん。おめでとうございます」

「お…。ユーリアナさん、覚えててくれたんですね。ありがとうございます」

「勿論です。ルトリアさんのことなら、何でも覚えてますよ」

えへへ、と笑うユーリアナさん。

「それと、これつまらないものですが…プレゼントです」

「うわっ。プレゼントまで用意してくれてたんですね…。ありがとうございます」

ユーリアナさんがくれたのは、お洒落なスイーツショップで買ったらしい、クッキーの詰め合わせであった。

美味しそう。

「それから、他にも事務所にたくさん、ルトリアさん宛のプレゼントが届いてますよ」

「本当ですか?嬉しいですね。今年は何個あるでしょうか」

去年も、この日には熱心なファンの皆さんが、わざわざ俺の為に誕生日プレゼントを送ってくれた。

今年も送ってきてくれているらしい。

「年々増えてますからね。今年は特に、全国ライブツアーの影響もあって、去年の倍近くあるみたいですよ」

「去年の倍!?すごっ…」

そんなに?

え、そんなに?

皆、嬉しいけどそこまでしてくれなくても良いんだよ。

Twittersで「おめでとう!」って言ってくれるだけで、俺、充分喜ぶから。

「一応事務所の者で中身を開封して、大丈夫そうなものを選別してますので。後で自宅の方に郵送しますね」

「あ、ありがとうございます…。お世話になります、本当…」

「とんでもない。これもルトリアさんの人気故ですよ」

ファンの皆さん、本当にありがとう。

自分のファンから誕生日プレゼントをもらうなんて、俺は嬉しくて目から汁が出そうです。