Music of Frontier

──────そんな昔のことを思い出して、エルはにやっ、とした。

そんなエルを見て、ミヤーヌは首を傾げた。

「エル?どうかしたか?」

「いんや、何にも」

お酒の入ったグラスを呷り、ふぅ、と一息つく。

下らない話だったな。本当に。

昔のことなんて、どうでも良いよ。

エル達は、今を生きてるんだからさ。

今が幸せなら、それで良いんじゃないか?

「ルトリア、まだ焼き鳥残ってるぞ。食え」

「もう食べたじゃないですか…。それルクシーの分ですよ」

「俺は良いんだよ。ほら食え、ベーシュ、追加注文頼む」

「分かった。店員さん、焼き鳥追加。五人前」

「五人前って!多くないですかっ?」

「大丈夫、私も食べるから」

…しかしアレだな。ベアトリーヌ、お前一人で男共四人と同じくらい食ってるな。

凄くね?めちゃくちゃ頼りになる感。

ベアトリーヌの昔話は、ちょっと聞いてみたい気がするなぁ。

あんまり喋ってくれるタイプじゃなさそうだが。

まぁ…さっきも言った通り、過去のことなんかどーでも良いからな。

「…嫌なことなんて、忘れて生きていこうぜ。面白おかしくな。なぁミヤーヌよ」

「ん?あぁ…そうだな、エル」

全く、音楽ってのは本当に馬鹿に出来ないなぁ。

生まれた場所も、育った環境も全員バラバラなのに、そんなメンバーが今ここに集まって、仲良くドンチャン騒ぎしてるのは、全部音楽のお陰なのだ。

そう思うと、捨てたもんじゃねぇなぁ、って思わないか?
























END