Music of Frontier

とにかく、そんな内気で根暗な性格だったから、そこも両親にとっては気に入らなかったのだろう。

両親自身陽キャのタイプだったし、エル以外の他の兄弟も、皆陽キャタイプだった。

だから、休みの日になれば、いつも友達の家に遊びに行ったり、逆に友達を何人も家に呼んだりしていた。

それなのにエルだけは、いつも何処にも遊びに行かず、家に一人でポチポチテレビゲームやってるような子供だった。

両親はそんなエルを見て、よく深々と溜め息をついたものだ。

よく考えたら、失礼だと思わないか?

通りすがりにエルの顔を見れば、うんざりしたような顔で「はぁ…」なんて言うんだから。

うるせぇ。溜め息つきたいなら腹の中でつけ。失礼だろ。

あるいは、はっきりと罵られた。

「あんた、折角の日曜日だって言うのに、遊んでくれる友達もいないの?」って。馬鹿にしたように。

そういうことはな、思っても聞かないもんだよ。

エルだってちょっと気にしてるんだから、そういうこと言うな。

心の底からムカついたし、「放っとけ!」と言い返したかった。

でも、ちょっと言い返したら人格否定せん勢いで罵られるので、いつも黙っていた。

友達いないのは事実だったし。

黙ってばかりのエルだった。だから、これでも昔のエルは、今よりずっと無口だったんだよ。

今では、信じられないだろうけどね。