Music of Frontier

兄弟とも不仲、両親も冷たい、と来たらエルに居場所はない。

ここでエルーシア少年、両親から愛されることを諦め、じゃあ祖父母に愛してもらおう、と思い付いた。

父方の祖父母は早くに亡くなっていて不在だったが、母方の祖父母なら、近くに住んでいたから。

両親が大事にしてくれなくても、祖父母なら可愛がってくれるかも…と、儚い望みを抱いたものだが。

これもまた、上手くは行かなかった。

祖父母にとっても、エルは可愛くなかったようで。

エルが訪ねていっても、歓迎されたことはなかった。

やっぱり、大人にとって可愛いのは、優秀だったり、甘え上手な子供だけ。

無愛想で、何の才能もなくて、可愛くもないエルなんて、誰も相手にしない。

可愛がられるタイプの子供ではなかった。

自分で望んだ訳じゃない。そうなろうと思ってなった訳じゃない。

でも、そうなってしまったのだから仕方ない。

恐らく、ベーシュも似たようなタイプの子供だったのだろうと予想するが…ベーシュの場合、一人っ子だったから。

おまけに、聞くところによるとベーシュんところのお父さんは、超良いお父さんで、自分の娘が元気に生きていてくれるだけで充分、と考える人だったらしい。

それに、ベーシュはエルと違って美少女だしな。比べるのが間違いってもんだ。

エルの家も、エルがもし一人っ子だったら、もっと愛してもらえたんだろうに。

なまじ五人もいるものだから、そりゃ可愛いのもいれば、可愛くないのもいるだろう。

どうやったって、五人もいれば比べてしまうのは当たり前だ。

だから、エルは一人っ子推進派なのだが…。

まぁ、今思えば、一人っ子だろうと十人兄弟だろうと、子供が可愛くないからってあんな風に愛情差別するような親のもとに生まれれば、兄弟の数なんて関係ないわな。

だが、そのせいでエルが大層、辛い思いをしてきたことに変わりはない。