Music of Frontier

かく言う俺も…積極的に彼女作ろうとはしてないが…。

でも、分かるよその気持ち。

俺だって、どうやったら彼女出来るのか分からないもん。

粘土?粘土捏ねたら出来るの?

「どうしたら良いんでしょうね…。女性の目から見て、どんな男性だったら彼氏にしたいですか?ベーシュさん」

「私?そうだな…。元気な人が良いかな」

「元気…?明るい人ってことですか?」

「ううん。物理的に丈夫な人が良いってこと。ほら、喧嘩したら、こう…うっかり投げちゃうことがあるかもしれないでしょ?それで骨折とかしちゃったら困るから」

「…あります?喧嘩で…。うっかり投げること…」

ってか、何?何を投げるんですか?

ペットボトル?枕?それともまさか…本体?

ベーシュさんならやりかねないのが怖い。

もう少し大人しい喧嘩してくれないかな。

ベーシュさん、あなたラグビーとかアメフトの選手としか付き合えませんね。

俺みたいなヒョロガリじゃ、片手でKOだよ。

「と、とにかくいちごオーレさん。彼女のいない俺が言っても説得力ないかもしれませんが、女性には優しく、かつ紳士的に、です。女性はきっと、優しい男性に魅力を感じると思いますよ」

「私は丈夫な男性が魅力的だな」

「…だ、そうなので…ラグビーとか柔道とか…習ってみると良いかもしれません」

まぁ、あの…。丈夫な男性が好きって…かなり少数派だと思うけど…。

そりゃ虚弱体質よりは良いのかもしれないが…。

「それじゃ、次のお悩みに行きますね…。えーと…二十代男性、『ルティス帝国の歩くエロスの相棒』さんからのお悩みです」

なんか凄い名前だな。

聞き覚えがあるような…ないような。

「『自分のパートナーが、もう十年くらい毎日結婚してくれと迫ってきて困ってます。更に最近入ってきた後輩とタッグを組んで、フェロモン振り撒いたり、キスを迫ってきます。帰れと言っても部屋に居座るし、おまけにいつも変な格好をするから、一緒に外を歩くとき恥ずかしくて堪りません。なんとか出来ないでしょうか』…だそうです」

…うん。

さっきのいちごオーレさんの悩みとは、正反対だね。

「…贅沢!何だか贅沢な悩みですねこれ」

「恋人からのアタックに困ってるんだね」

「贅沢ですよ!世の中には!アタックされたくてもされない男がいるんですよ!」

彼女いない歴=年齢の、俺やいちごオーレさんみたいな人がいるのに対し。

このエロスの相棒さんは、もう十年も恋人とイチャイチャしてるなんて。

不公平だ。不公平過ぎる。

「そこは寛大な心を持って!受け入れてあげましょうよ!」

「心が広い男の人って、良いよね」

ほらほら。ベーシュさんもこう言ってる。

「そりゃあんまりしつこいアタックは困りますよ?でもちょっと激しいアタックくらいは、受け入れてあげましょう」

「でも変な格好してるらしいよ?この人の恋人」

「あ~…。変な格好っていうのがどういうのかは分かりませんけど…。でも少々変わってるくらいは、個性として受け入れて良いんじゃないでしょうか」

余程奇抜でなければ。

この間のハロウィンライブの俺達みたいな服じゃないんなら、大丈夫だ。

「たまにはこう…似合ってるよ、とか。いつも素敵だね、とか言ってあげてくださいね」

「そうだね。そう言われると嬉しいね」

きっと恋人さんも、そう言われるのを待っているはずだ。

俺達モテない男子のぶんまで、末長く仲良く、お幸せに。