Music of Frontier

神妙な顔をした帝国騎士二人と、それから苦しげな表情の俺を、交互に見て。

ルクシーは、俺の目の前にいる帝国騎士二人が、俺の敵であると判断したようで。

「…何なんだお前達は？ルトリアに何しに来た？」

帝国騎士相手に、露骨に敵意剥き出しであった。

「あれだけ長いこと事情聴取して、ルトリアを煩わせておいて…まだ何か聞き出しに来たのか？」

ルクシーは俺を庇うように前に出て、エミスキー達を睨み付けた。

どうやら、また俺を取り調べに来たのだと思ったらしい。

だが、今回は違う。

これは俺への取り調べではない。

「違いますよ、ルクシー…。この二人は、事情聴取に来たんじゃなくて」

「あ…？じゃあ何しに来たんだよ」

「えっと…」

何と…説明したものか。

どう説明しても、ルクシーが怒り出しそうで…。

「…この二人、俺の同級生なんです。前に言ったことあるでしょう？友人…だと思ってた人達…」

「は…？…まさか、ルトリアを見捨てた元クラスメイトか」

「そうです。慰労会ライブのときにも観に来てた…」

それだけ聞くと、ルクシーは、俺が止める前にエミスキーとラトベルに牙を剥いた。

「お前ら、ルトリアに何しに来たんだ。またルトリアを傷つけに来たのか！今更になってのこのこと、よく来れたもんだな！」

あぁ…もう既に怒っちゃってる。止めようとしたのに。

ルクシーの剣幕に、エミスキーとラトベルはたじろいだようだった。

二人にしてみれば、全くの第三者がいきなり現れて、いきなり怒鳴られたのだから、納得が行かないだろう。

「傷つけに、って…。俺達は、謝ろうと思って…」

「謝るだと？どの面下げて謝りに来たんだ？お前らが一万回土下座したって、ルトリアの心の傷が癒える訳がないだろ。謝って満足するのはお前達だけだ。そんなことも分からないのか！」

いや、その通り、ルクシーの言う通りなんだけど。

そんな怒鳴らないで。